SNSは、借りている場所。
自分の名前で投稿し、
自分の写真を載せ、
自分の言葉を書いていても、
その場所の持ち主は自分ではない。
運営会社の規約が変われば、
昨日まで届いていた投稿が届かなくなる。
アルゴリズムが変われば、反応も変わる。
私たちは長い間、
借りた場所に自分の人生を並べてきた。
フォロワーを集めることが力だった時代
SNSが広がった頃、
テレビにも雑誌にも出ていない人が、
自分の名前で発信できるようになった。
そこから新しい仕事も生まれた。
何時に投稿すれば見られるのか。
どんな写真なら反応が増えるのか。
どんな言葉なら拡散されるのか。
気がつけば、
伝えたいことより
届きやすい形を先に考え、
SNSに好かれる発信を
つくるようになっていく。
数字は、その場所の外へ持ち出せない
フォロワー数は、
自分についているように見える。
でも実際には、
そのプラットフォームの中でだけ通用する数字。
別の場所へ移れば、
またゼロから始まる。
私は、
長い時間をかけて投稿してきた人が、
突然の規約変更やアカウント停止で
現実を受け止めきれずにいる姿を見てきた。
フォロワーは場所に残る。
書く力も、話す力も、
その人に残る。
発信と作品は違う
発信は、刹那。
今日知ってほしいこと。
今日反応してほしいこと。
作品は、
半年後や10年後に
誰かが見つけるかもしれない。
私は今、
どれだけ早く反応されるかより、
あとから読めるものになっているかを考えている。
私はいま、アーカイブを作っている
私は長い間、
発信する側にいた。
知ってもらうために書き、
人とつながるために投稿し、
仕事へつなげるために自分を見せてきた。
発信したからこそ出会えた人がいて、
SNS起業が成立した。
その力は充分知っている。
しかし今の私は、
発信者というより
アーカイブを作っている。
自分が生きた時間を
なかったことにしないために。

