トレゾァが登場した1990年。
私は22歳ぐらいだった。
そこから十数年間、
何本リピートしたかわからない。
当時のランコムのミューズといえば、
私の中ではイザベラ・ロッセリーニ。
大好きだった。
若い私はランコムのカウンターで、
イザベラを舐めるように見つめていた。
美しいと可愛いの絶妙なミックス。
顔に知性があり、少し近寄りがたい雰囲気もある。
「お母さんに、ほんとによく似てるなあ」
お母様は大女優のイングリッド・バーグマン。
私は映画『カサブランカ』を何度も何度も観た。
モノクロのイングリッド・バーグマン見たさに。笑
それだけ。
だから私にとって、
イザベラ・ロッセリーニは
単なる化粧品のミューズではなかった。
ランコムの広告を見ると、
映画の世界までつながっていた。
それから、ずいぶん年月が経った。
私は『ブラックリスト』という海外ドラマが大好きで、
シーズン1を見ていたら
何の予告もなく彼女が出てきた。
「イザベラ・ロッセリーニ! ひゃー♡」
もう大興奮。
私にとっては、
22歳の頃から熱視線をおくった女性。
たちまち、
トレゾァをつけていた頃の自分まで
一緒に戻ってきた。
その頃していた恋愛。
バブル景気が終わる頃の街。
まだ、日本も私も活気があった90年代。
全部、トレゾァの香りにくっついて残っていた。
22歳だった私はトレゾァをまとい、
イザベラ・ロッセリーニを崇めていた。
今の彼女を見ても、やっぱり美しいと思う。
私の憧れる女性は、案外ずっと変わらない。
肝心のトレゾァは、
いま全国の百貨店で在庫切れが続いている。
もう生産しないんだろうか。
そう思って調べたら、
ランコム公式オンラインには
在庫切れだが まだ掲載されている。
もう一度つけたいかと聞かれると、少し迷う。
でも、記憶を手元に置くために
1本注文したくなっている。
※『ブラックリスト』の出演回は、記憶どおりシーズン1第2話。Netflix・Apple TV
