" /> ラミ・マレックは、なぜ「見つめる」だけで空気を変えられるのか|カルティエCMが短編映画に見える理由 | 美容家ルネ|50代からの美意識
✧Character Studies✧Cinema & Drama Aesthetics

カルティエCMで気づいた|ラミ・マレックから目が離せなくなる理由

✧Character Studies

俳優には、それぞれ武器がある。

圧倒的なルックスで魅了する人がいる。
表情で感情を揺さぶる人がいる。
アクションで画面を支配する人もいる。

では、

ラミ・マレックは何で人を惹きつけるのか。

多くの人が最初に惹かれるのは、

あのエキゾチックな顔立ちだと思う。

けど実は、そこだけではない。

私は、視線だと思っている。

カルティエのCMを初めて見たとき、

不思議な感覚になった。

時計の広告を見ているというより、

一本の短編映画を見終えたような余韻だった。

凝らないBGM
説明がない
言葉もない

なのに、画面には緊張感が漂っている。

その空気をつくっているのは、

ラミ・マレックの「見つめる演技」だった。

視線というものは、本来とても難しいはず。

ただ相手を見るだけでは、何も伝わらない。

強すぎれば威圧に、
弱ければ印象に残らない。

ところが

ラミ・マレックは、そのどちらでもない。

見つめているだけなのに、

「何かを考えている人」に見える。

その瞳に、観る側が意味を探し始める。

だから画面が止まらない。

視線が、物語を動かしている。

共演するカトリーヌ・ドヌーヴもまた

多くを語らない存在。

互いに説明しない。

説明しない者同士の目が合い、

画面には少しの緊張感が生まれる。

私は、最初みた時

「あ、」と声が漏れそうになった。

これは演技力だけでは成立しない。

「何もしていない時間」を

成立させられる人だけが持つ力。

近年は、何かを足すことで魅せる時代。

多く話す
もっと動く
感情を盛る

けど、本当に目を奪っていく人は

その逆。

削っている。

削った先に残ったものだけで

人を惹きつける。

ラミ・マレックを見ていると、

そのことを思い出す。

だから彼は、

視線だけで空気を変えられる。

沈黙しているだけなのに、

感情が流れている。

それは技術というより、

その人自身が積み重ねてきた

感性の厚みなのかもしれない。

ラミ・マレックを見ていると、

その静かな力を思い出す。

人は、最後には

「何を持っているか」ではなく

「どんな空気を連れてくる人か」で記憶される。

― きょうは、「存在で語る人」を選ぶ。―

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