" /> ある空間で、前提が外れた | 美容家ルネ|50代からの美意識
✧Thoughtful Living

ある空間で、前提が外れた

✧Thoughtful Living

私の家に来ると、
決まって「なにか、いい」と言う人がいた。

彼女は長く、

大切に扱われているとは言い難い関係の中にいる。

別に私の家で、
特別なことをするわけではない。

お茶を飲んで、話して、
普通に過ごしているだけだった。

それなのに彼女は毎回、
「ここは何か違う感じがする」と言った。

最初は、

家の雰囲気が好きなのだと思っていた。

でも、たぶん違った。

長く粗末に扱われた蓄積が
本人の標準になり、

「自分はこのくらいの存在だろう」

という感覚が、
疑われることなく内側に定着していく。

誰かに言われたわけではなくても、
自分がどう扱われているかは
少しずつ身体に残る。

その前提が存在しない場所に入ったとき、

「あれ?」

となる。

理由は言語化できなくても、

「ここは、明らかに質が違う」

と感じる。

それと同時に、

“ここにいる自分は、いつもの自分と少し違う”

そんな感覚が生まれる。

私の家が特別だったのではないと思う。

ここでは、
彼女を粗末に扱う人がいなかった。

たぶん、それだけ。

そのことに身体のほうが
先に気づいたのだと思う。

空間は、
人をどう扱うかをはっきりと示す。

― Lune

タイトルとURLをコピーしました