私が大切にしているのは「引き算」の発想。
昨日、お茶をしていたとき、
同世代と思われる女性が目に入った。
高い位置で結んだポニーテールに、
紺と白のラブリーなデザインのチュニック。
細身の紺色パンツにスニーカーを合わせ、
ご子息と思われる高校3年生くらいの男の子と一緒だった。
「可愛らしい方だな」
そう思い、つい目で追ってしまった。
頬には大きめのシミ。
でも、
私が気になったのはシミではなく
顔全体の印象。
洋服の甘さ、ぱっちりした目元、柔和な相貌。
魅力的だった。
一方で、成熟世代特有の顔色から、
少し疲れて見えていた。
もしかすると、
その日は体調が
万全ではなかったのかもしれない。
だから、
「こうあるべき」と言うつもりは全くない。
ただ私は、
リップで血色を少し足して
ハイライトで光を添えるだけでも、
あの方が本来持っている可愛らしさは
もっと引き立っただろうな、と感じた。
その親子が席を立ったあと、
コンパクトで自分の顔を見て苦笑した。
案の定、「サザエさん現象」
家の照明ではちょうどよかったのに ──
慌ててライトベージュのパウダーを唇に重ね、
色味を少し落ち着かせた。
人のことはよく見えても、
自分の顔は案外見えていないもの。
シミを隠すことより、
顔全体の印象を整えること。
50代のメイクは、
その発想に切り変えるだけで見え方も大きく変わる。
ファンデーションを重ねるより、
瑞々しさだけを補う。
光を味方につけることで
顔全体から疲労が抜ける。
実際、50代からこの方法に変えてから、
「毛穴どこ?」と言われる機会が増えた。
肌そのものが変わったというより、
顔全体の見え方が
軽やかになったのだと思う。
ポイントは
「必要最小限で整える→引く→光で仕上げる」
という順番。
気になる部分を厚塗りするのではなく、
隠し切らず、
明度や立体感で美しさを引き出す。
50代のメイクは、足し算より引き算。
成熟した肌だからこその
気品を生かすほうが、
美しさは自然に伝わる。
── きょうは、隠すより整えるを選ぶ。──
