50代の気品は、若く見えることではない。
顔の使い方が増えていること。
若い頃の笑顔は、今思えば種類が少なかった。
嬉しい。
楽しい。
だいたいこのあたり。
でも50代になると、笑顔ひとつにも段階がある。
本当に嬉しいときの笑顔。
相手に恥をかかせないための笑顔。
深入りしないための微笑み。
「それ以上は来ないでね」まで含んだ笑顔。
長く生きていると、顔にも語彙が増える。
目つきも変わる。
相手が機嫌を損ねたとか、
少し無理をしているとか、
今日は触れない方がいいとか。
言葉になる前の空気を拾えるようになる。
若い頃は、
気づいたら何かしなければと思っていた。
気づいていても触らない。
必要なときだけ手を出す。
もちろん50代になれば
全員に気品が出るわけではない。
私はそこに気品を見る。
だから50代のメイクは、
若返らせるために盛り続けなくてもいいと思っている。
血色が足りなければ、リップを少し足す。
顔色が沈むなら、そこだけ整える。
全部を塗りつぶさなくていい。
これまで生きてきた顔まで消してしまったら、
もったいない。
私はこっちも、かなり好き。
