90年代のスーパーモデル、シンディ・クロフォード。
当時のスーパーモデルの中でも、
いち早く自身のワークアウトビデオを発売した女性だった。
実は私、このビデオを2本とも持っていた。
当時、シンディ見たさで
1年ほど夜のワークアウトが継続できた。
美容医療についても、
まだ今ほど一般的ではなく、
施術を受けていても公には語らない時代。
そんな頃に彼女が、
「美容医療の力を借りずに美容を語ることはできない」
といった趣旨の大胆な発言をしていたのを覚えている。
あれから20年ほど経ったかもしれない。
現在の彼女は、
極端にサイズダウンすることも、アップすることもなく
健康的に年齢を重ねている。
若さへの執着を競っていない。
この尺度が、いかにもシンディらしいと思う。

昔、何かの紙面でシンディについて
「イルカばりの賢さ」と書かれていた。
失礼では?と思いつつ読んだ記憶がある。
彼女はイリノイ州の小さな町の出身。
裕福な家庭に生まれたわけではない。
高校では首席。
奨学金を得てノースウェスタン大学の
化学工学課程に進んだ才女でもある。
モデル業に専念するため大学は中退したが、
美貌だけで世界を渡ってきた女性ではない。
そのシンディの長男、
プレスリー・ガーバーが27歳で亡くなった。
死因は現時点で正式には確定していない。
薬物の過剰摂取が疑われ、調査が続いている。
親は努力によってアメリカンドリームを手に入れた。
一方、息子は生まれた時からその世界にいた。
経済的な豊かさも、恵まれた容姿もある。
母と同じモデルの道へ進み、著名ブランドの仕事も経験した。
親子でありながら、人生のスタート地点はまるで違う。
アメリカの薬物問題は、
経済格差や貧困だけで説明できるものではない。
富裕層にも起こる。
まして、親が賢く、努力家で、
経済的にも成功しているからといって、
その資質が子どもの人生を保証するわけではない。
今回の彼の死は、何が起きたのか。
外側からは理解できない。
ただ、シンディの歩んできた人生と、
息子の人生を並べてみると、考えさせられる。
親は自分の人生を努力で切り開いた。
しかし、子どもの人生まで代わりに生きることはできない。
親の賢さは、子どもの理性や判断にまでは届かない。

