若いことは、たしかに強い。
空気を変える速さもあるし、
その場を明るく見せる力もある。
でも、長く人を惹きつけるものは
それだけではない。
これは年齢を重ねたから分かったというより、
私自身がいろいろな場所で
人を見てきた実感に近い。
一流の場でも
いつまでも記憶に残る人は
“若い人”ではなかった。
大きな声で目立たなくても、
どこかに落ち着きがある。
人への圧が少ない。
私は昔から、
“若く見える”より
“配慮が滲む人”に惹かれてきた。
その人が着ているものより、
店員さんにどう話すかを見てしまう。
食事の仕方や、
思いやりの気配のほうが記憶に残る。
もちろん、清潔感は大事。
髪や肌を整えることも必要。
でも、ある時期から
「若く見せる競争」に入った瞬間、
人は少し不自然になる。
私は、そういうところを見てしまう。
若さは、遠くからでも見える。
品や知性は、
近づかないと分からない。

