「おまかせします」
メイクの現場で、この言葉を何度聞いてきただろう。
一見すると、
相手を信頼している謙虚な言葉に聞こえる。
しかし私は、
この一言の奥に
その人の「判断の癖」が見えることがある。
服は流行しているから選ぶ。
髪型は人気だから真似する。
顔は、みんなが受けているから同じ施術を受ける。
もちろん、それ自体が悪いわけではない。
けど、その選択を積み重ねた先に何が残る?
あの人は、どんな相貌を目指しているのだろう。
どんな雰囲気の人になりたいのか。
何を美しいと感じるのか。
どんな年齢の重ね方を望んでいるのか。
そこを考えず人任せの選択を繰り返していると、
自分で考える筋肉は衰えていく。
気づけば自分不在、
その他大勢の一人になってしまう。
SNSや街を見ていると、
不思議な既視感を覚えることがある。
おきまりの前髪。
同じようなメイク。
似たような服装。
見た事のある顔。
一人ひとりは違う人生を歩んでいるのに、
ハンコが押されたように見える瞬間がある。
私は美容家として、
流行を否定したいわけではない。
流行は知っておいた方がいい。
コスメも美容医療も
美容の世界は絶えずアップデートされている。
ただ、それを採用するか否かは
自分で決めるべきだと思う。
「流行だから選ぶ」のではない。
「私はこれが好きだから選ぶ」。
美意識とは、
センスではなく
判断の積み重ねのこと。
誰かに決めてもらう人生より、
自分で選んだ人生のほうが
判断軸が育つ。
だから私は今日も書くし
自分自身にも問い続ける。
あなたは、本当は何が好きですか。
その答えを持つ人ほど、
年齢を重ねるほど魅力的になっていく。
流行は毎年変わる。
けど、自分で選ぶ力は
一生その人の美しさを支えてくれる。
── きょうは、「自分で選ぶ」を選ぶ。──
