成熟の記録(1/3)──
ずっと私は、自分を
「頑張らないと値打ちのない人間」
だと思っていた。
嘘くさい、と思うかもしれない。
けどこれは、切ないくらい本当の話。
いま振り返れば、
悲劇的に自己肯定感が低かった。
50歳で更年期うつのような状態になり、
身体が思うように動かなくなった。
ベッドから起き上がれない日々の中で、
突然気づいた。
キツネにつままれたような感覚。
「はっ!」
頭の中で何かが反転した。
娘には、
「あなたは、存在しているだけで素晴らしい」
「頑張ること」と「人としての価値」は
別ものだと伝えながら育ててきた。
それなのに、
自分には一度もそう思えなかった。
会社員時代も、無遅刻・無欠勤。
いつも成果で自分を採点し、
休む → 頑張れない → 価値がない
と思い込み、50年も
自分だけを厳しく裁き続けていた。
いちばん許してあげるべき相手に、
私はいちばん厳しかった。
誠にバカタレである。
そう気づいた日から、
ようやく自分を責める人生を
少しずつ手放せるようになった。
あの日を境に、
自分を責め続ける癖を矯正してきた。
頑張れる日は頑張ればいい。
休む日があってもいい。
何も生み出せない時間があっても、
その人の価値は失われない。
この気づきにたどり着くまで、50年かかった。
── きょうは、自分を責めない選択をする。──
