結婚前、1年半か2年ぐらい
ホテル暮らしをしていた。
部屋を借りるのが面倒だったので、
とりあえずホテルに住むことにした。
場所は、当時の南海サウスタワーホテル大阪。
朝はラウンジでフルーツと温かな飲み物。
パンケーキやクロワッサンを少し。
それから街へ出る。
PCすら珍しかった時代のこと。
本屋さんで立ち読みをしたり、
気になる書物を漁ったり。
雑貨や洋服のウィンドウショッピングをして、
ホテルの部屋に戻る。
買ってきた本を読み、
フィットネスで軽く体を動かす。
フィットネス内のラウンジで飲み物をいただきながら、
また本の続きを読む。
そんな毎日を送っていた。
ちょうど『ワイルド・スワン』を読みふけっていた頃。
この時期は月に一度、香港へも出かけていた。
旅のお供も『ワイルド・スワン』。
滞在先はザ・ペニンシュラ香港。
部屋でも、階下の「ザ・ロビー」でも読み続けた。
中国の激動の歴史を描いた物語を
香港のあの空間で読む。
鳥肌が立つほどの高揚感だった。

ホテル暮らしに飽きることはなかった。
物を最小限にして暮らす練習にもなった。
そもそも、
日常生活に必要なものは、
思うほど多くないと知った。
食事の段取りも片付けも要らない。
自分の好きなことに時間を使える。
ラグジュアリーホテルでの暮らしは、
私には実に快適だった。
そらそやわな。笑
何より、部屋を借りる面倒がなかった。
最高だった。
