何もしない時間に、
不安を感じてしまうことがある。
けど、50代を過ごして分かったのは、
動かない選択が
人生を深く進めている側面もあるということ。
役に立たない日を
あえて自分で選ぶ。
それは、
美意識と身体を守るための判断。
私は、何もしていない時間が
いちばん深く進んでいることを
知っている。
外の世界を閉じて、
内側のアーカイブだけを開ける。
誰の声も入れず、
評価も予定もない。
動かないという
成熟した選択。
回復でも、
準備でもない。
ただ沈んで、
澄んでいく時間。
体調を守るために
未来を急がない。
追わないことで、
失われないものがある。
役割を脱いだあとに残る
本来の感覚。
肩書きも成果もない場所で、
自分の核だけを確かめる。
成果がない日のほうが、
言葉は熟していく。
何もしない時間が、
あとで文章になる。
そのことを
私はもう疑わない。
—— きょうは、何もしない時間を選ぶ ——

