50代になってから、
景色の見え方が変わった。
若い頃のように、
すべてに近づかなくていい。
距離を保つ選択も、
美意識の一部になった。
人と一定の距離を置くことは、
冷たさではない。
互いの輪郭を
曖昧にせず、
尊重するための
配置だと思うようになった。
無理に理解し合おうとしない。
同じ速度で歩けない人を
追わない。
その静かな判断が、
心を疲弊させなくなった。
今の私は、
「通じる人だけが見える位置」に
立つことを選んでいる。
今の自分だからこそ味わえるのは、
人に振り回されない、
澄んだ視界。
この景色を知ってしまったら、
もう戻れない。

