50代になって、
私は自分の輪郭が変わったと感じている。
それは、顔立ちや年齢の話ではない。
生き方そのものの輪郭が、静かに変化したという実感。
テレビに生出演していた頃。
私はいつも、誰かの視線を意識していた。
髪型も、服も、言葉も、
「どう見られるか」を基準に整える日々。
その場にふさわしい私を演じることが、
仕事であり、役割だった。
けれど50代になった今、
私の基準ははっきりと変わった。
選ぶのは、
自分の内側に触れるものだけ。
白髪は、もう隠さない。
無理に若さを取り戻そうとするより、
光の当たり方ひとつで、
白は美しく輝く色に変わると知ったから。
香りも同じ。
誰かに好まれるためではなく、
自分の芯にそっと触れるものを選ぶ。
深く息をしたとき、
身体の奥が静かにほどけるかどうか。
それが基準になった。
輪郭とは、
決して見た目だけの話ではない。
どんな言葉を使うか。
どんな空気の中で過ごすか。
どんなものを身近に置くか。
それらすべてが、
命のかたち=輪郭を形づくっている。
最近、買ってきた白い花。
指先に残る、ほのかな香り。
整えすぎない、澄んだ部屋の空気。
そうした小さな選択が、
私の輪郭を
誰にも見せることなく、
静かに、確かに整えてくれる。
50代からの美しさは、
削ることでも、足すことでもない。
本質に戻ること。
そして、
命のかたちをどう整えて生きるかを
自分に問い続けること。
それが今の私の、
いちばん大切なテーマです。

