年齢を重ねるほど、
私たちが磨くべきは“余白”なのだと思う。
心の余裕、選ぶ基準、そして佇まい。
パリの光が教えてくれたのは、
50代の美しさは“静けさの中”で育つということ。
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パリの午後。
小道にある観光客の少ないカフェで足を休めていた。
静かな光が差し込む店内に、
ひとりでお茶を楽しむ女性がいた。
視界にふと入っただけなのに、
どうしても目が離せない。
凝視しては失礼だから、
あくまで“視角の範囲”でそっと観察する。
アイボリーのざっくりニット。
袖口からのぞく手首は白く、
骨のラインが美しい。
そこに重ねられた華奢なゴールドのブレスレット。
リングもゴールドで、シンプルなのに重厚。
決して派手ではないのに、
全体の品がひと目で伝わってくる。
カジュアルな装いのはずなのに、
“フォーマルの達人”のような佇まい。
たぶん私より10歳ほど年上。
飲み干したカフェクレームのカップをそっと置き、
女性は軽やかに席を立った。
ライトグレーのパンツに黒のローファー。
手には、使い込まれた黒のレザーバッグ。
古びているのではなく、
丁寧に育てられた“年季の美”をまとったバッグ。
歩き去る後ろ姿まで、
すべての線が美しかった。
カジュアルなのに余韻が残る。
それは一朝一夕ではなく、
経験値の積み上げがつくる
“品のオーラ”。
誰かに見せるためではなく、
“自分のために整えてきた時間”が漂っていた。
あの女性の背中に宿っていた美しさ——
それこそ、50代から磨かれていく
“余白の時間”の力なのだと思う。
心の余白、選ぶ余白、生活の余白。
その積み重ねが、未来の佇まいをつくっていく。
私も、そんな風に年齢を重ねていきたい。
静かで、強くて、軽やかで、
品のある大人の女性へ。
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