昼の光が街を満たすと、パリは新しい物語をそっと語り始める。
白と緑の調和、花々の呼吸、澄んだ空気に触れるたび、心が静かに磨かれていく。
旅先であるはずの街角が、
ふと「これからの生き方」を優しく問いかけてくる──。
午後の柔らかな光は、まるで50代の感性を再構築し、未来の美意識へと導く
静かで夢のようなひととき。
シャネル本店の昼に息づく、感性の旅の物語を綴ります。
パリ滞在記・全10本のうち第6話。
快晴の昼下がり、跳ねる足取りでヴァンドーム広場をいく。
ヴァンクリーフを横目に、前回した買い物姿を懐かしむ・・・
広場に寄り添うホテル・リッツは、シャネルが愛した場所でもあり、時を超えた彼女の余韻が未だ漂う。
ヴァンドーム広場の歴史を回想すると、胸の奥が熱く震えた。
パリでは1日中 感情が忙しい。

久しぶりに訪れたシャネル本店は、昔より改装されていたけれど、
あの象徴的な“世界一美しい階段”は健在だった。
シャネルがショーを見下ろしながら タバコを片手に佇んでいたという、伝説の階段を前に息を呑む。
そこに立つだけで、美意識の核が揺さぶられる。

店内では、日本人スタッフの方が声をかけてくださり、「すぐ日本の方だとわかりましたよ」と微笑みながら褒めてくれた。
長年ここに勤めるという彼女曰く、今までで最も美しくて釘付けになった日本人は
後藤久美子さんだったと。
品格が評価される場所での会話は、50代の私にとって特別なご褒美。

むかし来た時は、洋服もアクセサリーもバッグも靴も“爆買い”に近い勢いだったけれど、今回は厳選して薄手のジャケットを一着だけ。
ふと目に留まったお値下げ中の逸品がジャストサイズで、まるで運命のような幸運の買い物となった。
散歩途中だと気づかい、テーラーバッグをホテルに届けてくださった。
街並みに足を運び続け、シャンゼリゼでゲラン本店の姿に出会うと、まだここに変わらず鎮座していることが嬉しくて、不思議な高揚感に包まれた。
「メテオリットビーユ30年くらい愛用してるからね~。」と
脳内で大音量のエールをゲランに送った。

部屋に戻ると、シャネルのショッピングバッグが大量のリボンで装飾され、プレゼントのように置かれていて・・・
見た瞬間、恋に落ちた。

50代になって思う——
数を増やすのではなく、人生を共に歩んでくれる“一着”に出会う喜びこそが、
本当のラグジュアリーだと。
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