50代になってから、
私はお魚以外の動物性たんぱくを
ほとんど口にしなくなった。
それは、体調の問題というよりも、
自分の内側で起きた
感性の変化が大きいように思う。
年齢を重ねるにつれ、
「食べる」という行為の向こう側に、
命の気配を想像するようになった。
このお肉は、
どんな環境で育ち、
どんな時間を生きてきたのだろうか。
そう思うと、
以前のように軽やかには
口に運べなくなった。
外食で動物性の料理が提供されたときは、
心の中でそっと
「ありがとう」と言ってからいただく。
それは、
自分を縛るための儀式ではなく、
命との距離を忘れないための
小さな習慣。
そんな中でも、
鶏卵だけは続けている。
ただし、
たくさんは食べられない。
だからこそ、
私は卵を「量」ではなく
「質」で選ぶようになった。
いわゆる高級卵。
飼育環境や飼料に配慮されたものを選び、
一日に一個、
多くても二個まで。
丁寧に割り、
黄身の色や張りを確かめ、
静かにいただく。
髪も、肌も、骨も、
健やかでいたい。
50代になった今、
私が唯一
意識している栄養のこと。
たんぱく質は必要。
でも、
無理に摂る必要はない。
自分の身体と心が
「これなら受け取れる」と
感じる範囲でいい。
そう考えるようになってから、
食事がとても穏やかな時間になった。
今日も、
“ありがとうの卵”を割る。
それは、
栄養を摂るためだけではなく、
命に触れる距離を
自分で選び直す行為でもある。
美しさは、
制限や我慢から生まれるのではない。
命への敬意を、日常にどう纏うか。
そこにこそ、
50代からの本当の美意識が
宿るのだと思っている。
この美意識の軸となる人物像については、こちらにまとめています。
▶ 美容家ルネとは|50代からの美意識を導く美容家
