丙午(ひのえうま)、80代の義母。
この世代は、
テレビを受動的に観ることが
ごく自然だった世代。
数年前、夫が
YouTubeの視聴方法を教えていた。
それからというもの、
ひとりでiPhoneを開き、
YouTubeに入り、
お気に入りのチャンネルを
自分で探して観にいくようになった。
この「能動的な選択」によって、
聞きたくも
見たくもないノイズが減り、
自分好みの情報と映像だけに
浸れる世界が広がった。
義母は、
それを知ってしまった。
今では、
一日のどの時間もiPhoneを手放さず、
YouTubeを観ているらしい。
その姿は、
どこか学生さんのよう。
テレビ離れした義母に起きた
いちばん大きな変化は、
顔の表情と、
漂うムード。
きょとんとして、
どこか無邪気。
もともとフランス人形のように
可愛らしい顔立ちが、
さらに、
夢見るような表情になった。
テレビ局の意図する偏向から離れ、
住む世界を変えた義母。
その激変ぶりに、
私は密かに驚いている。
自分のチャンネルを
自分で選ぶという行為は、
惰性で流れていた毎日に、
小さな革命を起こす。
——
正解を降りた女。
美容の先で、美を生き直す人。
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