昼の光が差し込むと、パリの表情も変わる。
絵画の中を移動しているようで、豊かな時間が続いていた。
白とグリーン、花々と磨かれた空気感。
日常を離れているはずなのに、「もっとこう生きたい」という未来が鮮明になる──
そんな“感性の再構築”が起きた午後。
時間の流れとともに変わっていく 美意識の旅を綴ります。
パリ滞在記・全10本のうちの第9話

朝の余韻をまとったまま、昼のジョルジュサンクが光とともに姿を変える。
お日様がやわらかく角度を変え、女神が深呼吸するような時間が流れはじめる。
長い微睡(まどろみ)から覚めたらロビーに漂う花の香り、控えめなピアノの音色、
窓辺の光の柔らかさ──
すべて「美が深呼吸する午後」へと導いてくれる。

ここへ辿り着くまでの道のりには、数えきれないほどの出来事があった。
家族や愛しいペットとの別れを経験し、長い歳月 がむしゃらに働き、
起業という挑戦にも身を投じた。
多くの女性たちから温かな応援をいただき、生放送の場では 私自身のブランドを託されるという光栄にも恵まれた。
そして何より、ムスメは想像を超える強さをもって、自らの人生をしっかりと歩んでいる。
その一つひとつの出来事が、今の私を形づくり、静かな余韻を心に残している。

50代になると、スケジュールで生きるより、感性で生きることの価値がわかってくる。
何をこなすかより、何を味わうか。
ここで過ごす午後は、その象徴だった。
La Galerieでいただいたのはシャンパンではなく、ミネラルウォーター。
体の声に寄り添う選択が、旅の質を変える。
目の前の景色に集中できるほどに、心も姿勢も整ってくる。

「美しさとは、余白の使い方」──
それを思い出すたび、暮らしにも旅の美意識を持ち帰りたくなる。
50代の優雅さは、忙しさから抜ける勇気と 上質さを選ぶ決断力に宿るのだと実感した午後だった。
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