旅の朝は、散歩から始まる。
心と身体を静かに整えていく、小さな儀式のようなもの。
石畳を踏みしめるたび、澄んだ空気が感性のスイッチをそっと押し、ふと目に入る景色がまるで映画のワンシーンのようで胸を震わせる。
50代の美意識は、こうした“偶然の瞬間”の積み重ねで 静かに格を上げていくもの。
そして、朝のパリには──
その瞬間がいくつも潜んでいる。
カフェを巡りながら、“美意識の旅”がどんな表情を見せ始めるのか……
その続きを綴ります。
パリ滞在記・全10本のうち第2話。
昨夜のフレンチが美味しくもヘビーだったから、軽く身体を動かしたくてホテルを出る。
石畳を踏むたび空気が澄んでいくようで、肌に触れる風までクラシカル。

おそらく8区、31番地付近。
ここには高級ブランドの旗艦店に混じって 個人経営の洋服店が点在している。
小道をいくと老舗メゾンの間に小規模なアトリエ系ブティックが点在していて、
静かな豪華さが漂う。

クラシックな雰囲気の中に、現代的な感性を持つ個人店が融合。
香水・服飾小物を扱う店もあり 洗練されたブティック内では、オープン準備のおしゃれな女性の後ろ姿も。

数百メートル歩いたところで 静かなカフェを見つけて、レモンティーだけをオーダー。
オットはクロワッサンを頼んだが、そのバターの香りと油脂量の濃厚さが
“フランスの本気”を物語る。

そして、視界に広がった景色に思わず息が止まった。
映画「The Tourist」でアンジェリーナ・ジョリーが 紅茶を飲むシーンとそっくりな景色が目の前に広がり、胸が震えるほど高鳴った。
あの映画のワンシーンに入り込んだかのようで、全身の血が一気に巡った。

日本の近所にこんなカフェがあったら… きっと毎日通ってしまう。
歴史ある建造物、石畳、やわらかな太陽光、私を包むパリの風。
そのすべてが、50代の美意識を静かに磨き上げてくれる。
旅先では景色まで美容になる——
そんなことを実感した朝だった。
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