旅の夜、美に触れたい時あなたは何を選択しますか?
光の中で心を震わせる瞬間か、スパでのエグゼクティブなコースを堪能するか。
パリの夜は、光と影までもが美しい。
この文化を紡いできた人々の琴線に、そっと触れてみたくなった。
年を重ねた今だからこそ50代の旅は、美の本質を確かめる 最も豊かなレッスンだと悟った。
これは、ムーランルージュの夜に息づく、華やぎと品格のストーリー。
パリ滞在記・全10本のうちの第7話。

せっかくなのでパリの夜を楽しもうと、レビュー鑑賞をすることにして
ムーランルージュへ向かった。
場所は18区、モンマルトルのふもと。
ショー単独で入場したが、幕が上がる前からすでに圧巻。
ステージだけでなく、客席さえオペラ劇場のような壮麗さで、赤い照明に照らされた空間は
息を呑むほどのムードだった。

ステージに立つダンサーたちは、いわずもがな美人揃いで、女優の卵たちだという。
均整の取れたしなやかな体型。
脚には程よく筋肉がつき、動くたびに美しいラインが浮かび上がる。

そこに西洋らしい色鮮やかで華やかな衣装。
たっぷりのフリルや豪華なリボンにレース、フレンチフードにタップシューズ・・・
そこへ完璧なヘアスタイルとメイクが重なり、ただのショーではなく
“芸術としての美の集大成” を見た感覚だった。

前回訪れた際には、ダンサーの平均年齢は20代から30代が中心だった。
しかし今回目にした舞台では、その年齢層がぐんと上がっており、思わず驚きを覚えた。
《1950年代ごろ》

同時に、政治や社会的背景と パリの伝統文化との相関を思うと、複雑な感情が湧いた。
しかし、大人の女性として、年齢を重ねても身体の使い方と所作でここまで美は磨かれるのだと強く感じる。

最近(2024年4月)、ムーランルージュの象徴でもある、風車の羽が崩落したというニュースを見た。
だからこそ、この歴史あるフランスの娯楽文化が未来に受け継がれていってほしいと心から願う。
煌びやかで官能的で、それでいて芸術。

50代の旅は、ただ楽しむだけでなく“美の本質を確かめる機会”だと 改めて思った夜だった。
レビュー鑑賞後は、ダンサーたちの美しさを余韻に夜の街を歩いた。

オペラ座からマドレーヌ寺院、シャンゼリゼへ──
ホテルへと続く道は、ドラマチックな1時間の散歩となった。
▶Paris Series – All Episodes ♛https://beautydiary50.com/category/travel/

